書評 U-31
久しぶりにサッカー小説が読みたくなったので、
サイバーマンデーでアクセス集中しているアマゾンを散策していました。
(サイバーマンデー、、、安いので皆さんもぜひ色々購入してみてください↓)
午前中にダウンロードして読んだ一冊がこちらです。
・タイトル:U-31
・作者:綱本将也、吉原基貴
・巻数:全2巻
<あらすじ>
かつてオリンピック世代で絶対的司令塔で、
名門の東京Jリーグチーム10番の主人公、河野(28歳)
在籍したチームを解雇されて、古巣に戻ることになり、
かつての盟友との再会、若手との衝突を繰り返していく、、、
<感想>
ボリュームも全2巻のため、休日のカフェで読み切るのに最適でした。
何より主人公の年齢が、私と同い年だったこともあり、、、色々と共感できる箇所が多かったです。
サッカーは世界有数の人気スポーツであり、選手生命で考えると、
30歳手前という年齢は、引退を考え始めるには遅すぎる年齢ではありません。
そういったことを考慮すると、同い年でも、主人公が抱えている重圧は、
おそらく私の比ではありません。
オシム監督を彷彿とさせる外国人監督の発言一つ一つが、
深くて考えさせられます。
これまでオシム監督を知らなかったのですが、
一気に興味を持ちました。今度は自伝でも一冊読んで見たいと思います。
一番心に残ったシーンは、がむしゃらなプレイをする主人公に対しての、
監督の発言です。
「日本人は、一つ一つのプレーの精度を高める事にしか興味がないように見える。
パサーと呼ばれる者の多くは、いいパスを出せた事に満足し、その場に立ち止まる。
ドリブラーは抜く事だけに集中し、クロスをあげるタイミングを逸する。
ポストプレーヤーはボールをキープすることに腐心し、前線で孤立する。
クリアするので精一杯で、フリーであってもボールを繋げないDFは、守備の意味を理解していない。
ヴィジョンがあれば難しいプレイなど必要なくなる。
ファーストタッチのトラップ一つで、その戦局が決定することだってあるんだからね。
フットボールはスーパーシュートですべての勝負が決まるわkでじゃない。
それを生み出すポジショニングやフリーランこそ大切なんだ。」
これ、仕事でも同じだと思います。
目的のないハードワーク、残業は辞めるべきなんです。
他にも仕事に通じる話があります。
作中冒頭で、がむしゃらにやっていたら代表に呼ばれるようになったが、
いつしかチームにフィットするようにプレーした結果、
個性が消えて代表からもチームからも必要とされなくなった、、、
という下りが出てくるのですが、
そこは最近私も漠然と考えている不安とダブりました。
コンサルは資格などがないので、結局高いビジネスの基本スキル、、、
エクセルや会計知識、プログラミングスキル、外国語スキル、
パワポスキル、折衝力、プロジェクトマネジメント力が身につきますが、、、
結局器用貧乏になるだけな気がしています。。。
他にも、プロスポーツ選手ならでは、マスコミとの付き合い方や、
ドラッグ絡みの話など、いろいろ考えさせる話が多いです。
サッカーという一つの業界を、
ここまで描いている漫画も珍しいと思います。
Jリーグもすでに開幕して20年以上が経ち、今一度、
サッカー選手を取り巻く環境がどうなっているかを考えて見たいと思いました。
私も、今一度、仕事に対して真剣に向かい合って見たいと思いました。